午前五時の殺風景

表染という、ミステリとホラーを好む社会人が書いています。日々言葉が死んでいく。

会社の駐車場に出る話 【変な話#2】

最近残業が多いんじゃ。

ふざけるなー!

私は残業代がなくてもいいから定時に帰りたいのだー!

 

という気持ちを抱えながら、夜9時くらいまで毎日残っているわけですけども。

最近、そんな遅くまで残ってられないなと思う出来事があったのでお話ししますね。

 

四日くらい前、その日も帰りが遅くなってしまいまして。

私の勤めている会社は車通勤の人が多いため駐車場が広く、私は会社の玄関から歩いて三分くらいかかる位置に車を止めることになっている。しかも街灯が消えていて、会社から離れるほど明かりがなく真っ暗!!!

いやほんとどうにかしろと思ってる。そんなにお金ないの?

まあいいや。その日も明るい玄関から出て、真っ暗な駐車場は歩き始めたんだけど、80mくらい離れた遠い駐車スペースで暗くて大きなものが動いているのが見えた。

 

最初は座り込んでる人かなと思ったけど、どうも違うんだよね。蜘蛛みたいに、四つん這いになって動いている人間っぽいんだ。

あり得ないと思うけど、巨大蜘蛛のほうが現実味ないし、足四本だから多分違う。ぼさぼさに振り乱した髪の毛みたいなものも見えるし。人間……なはず。でも、動きは蜘蛛っぽくカサカサしていて人間と断言するのも難しい。

 

その時私は「気が狂った社員の人かな」なんて可能性を思い浮かべていた。

 

次の日、隣の席の派遣の方に聞いてみた。

 

どうやら数年前から、四つん這いで動き回る化け物が駐車場に現れるらしい。それはただ地面を動くだけではなくて、停まっている車の上に乗っていることもあるんだとか。

 

一つだけ気をつけなければいけないことがあって、それは、絶対に気づかれてはいけないこと。

その化け物は、大きな音を立てるとこちら目掛けて猛スピードで(それはもう四つん這いとは思えない速度で)追いかけてくるらしい。

でも対策案もある。実はその化け物はあまり目が良くない(というか目に何かしらの弱点がある、というのが正確かな)ため、急いで社内に戻ってしまえば、光を恐れてまた離れた駐車スペースに戻っていく。

 

そんなゾッとする体験でした。もう会わないといいなあ。

私の駐車場、玄関から100mも先なんだ。